今年の世界幻想文学大賞において、クトゥルフ神話関係の作品として、“She Walks in Shadows"がアンソロジー部門賞を受賞した。
“She Walks in Shadows"はインスマス・フリー・プレスから発売された、ラヴクラフト神話と女性をテーマにしたアンソロで、出版社のホームページからサンプルを読める。
"S.Petersen's Field Guide to Lovecraftian Horrors"の翻訳本である『クトゥルフ神話怪物図鑑』が9月30日に発売された。クトゥルフ神話TRPGの設定集の古典的名著のリメイクが日本語でも楽しめるようになったのはめでたい。 Role&Roll Vol.144には、クトゥルフ神話怪物図鑑を実際のシナリオ製作やプレイにどう役立てればいいのか説明されており、合わせて読むと効果的だ。
クトゥルフ神話怪物図鑑』のアートワークを担当されているLoïc Muzy氏はfacebookでイラストを公開しており、これを見てみるのも有意義である。
・キックスターター3件
1920年代ニューイングランドを舞台をしたクトゥルフ神話TRPGシナリオ"Sun Spots"がキックスターターでの投資募集を行い、目標金額の3倍近い金額を集めた。
また、クトゥルフ神話TRPGのガスライト時代の反クトゥルフ組織のサプリ"Hudson & Brand, Inquiry Agents of the Obscure"もキックスターターで投資を募集している。既に目標金額は達成され、ヴィクトリア時代の武器や道具、追加シナリオ、フルカラーの地図やプレイエイドなど追加目標も用意されている。こちらもヴィクトリア時代の反クトゥルフ組織が題材らしい。
さらに、ライブRPGなどに使えるクトゥルフ神話風呪文書(プラスでオリジナルのTRPG付き)という企画もキックスターターに上がっている。
indiegogoのクラウドファンディングで、ステファン・キングやラムジー・キャンベル、ブライアン・M・サモンズなどの書籍を出す企画が投資募集中。"The Children of Gla'aki: A Tribute to Ramsey Campbell's Great Old One"など、面白そうなタイトルのアンソロジーなので、多くの資金が集まるのに期待したい。
今年のエニー賞のクトゥルフ関係をまとめると、
カバー部門銀賞 Achtung! Cthulhu Shadows of Atlantis
プロダクションバリュー部門銀賞 Cthulhu Britannica London
フリーゲーム部門金賞 Delta Green Need to Know
電子書籍部門銀賞 Trail of Cthulhu – The Long Con
サプリメント部門銀賞 Delta Green Agent’s Handbook
出版社部門 Pelgrane Press(Trail of Cthulhuの版元)
となっており、新版になったデルタグリーンが勢いを見せている。
ちなみに、りゅうたまが日本のTRPGとしては初めて、ENnie賞のファミリーゲーム部門銀賞を受賞している。